交感神経

交感神経:作用の概要

交感神経とは

自律神経系の一部で、主にストレス時(fight or flight)や活動時に、循環・呼吸・代謝などを「活動モード」に切り替える。

伝達経路(ざっくり)

💡
  • 起始:胸腰髄(T1〜L2)
  • 節前線維:比較的短い(アセチルコリン:ACh)
  • 節後線維:比較的長い(主にノルアドレナリン:NA)
  • 標的:心臓、血管、気管支、瞳孔、消化管、肝臓、脂肪組織、膀胱 など

例外(重要)

  • 汗腺:交感神経だが節後も ACh(ムスカリン受容体) が主
  • 副腎髄質:節前線維(ACh)→副腎髄質が刺激され、アドレナリン/ノルアドレナリン を血中放出(ホルモンとして全身作用)

主要な受容体と作用

受容体主な分布主な作用
α1血管平滑筋、瞳孔散大筋、前立腺・内尿道括約筋血管収縮(血圧↑)、散瞳、尿道括約筋収縮(排尿抑制)
α2交感神経終末、中枢NA放出抑制(負のフィードバック)、中枢性に交感神経抑制
β1心臓、腎(傍糸球体)心拍↑、心収縮力↑、刺激伝導↑/レニン分泌↑
β2気管支、骨格筋血管、子宮気管支拡張、骨格筋血流↑、子宮弛緩
β3膀胱排尿筋、脂肪組織排尿筋弛緩(蓄尿)、脂肪分解

臓器別:何が起きる?(覚え方)

🩺
  • 心臓:β1 → 心拍・収縮↑(拍出↑)
  • 血管:α1 → 末梢血管収縮(血圧↑)※臓器により受容体分布が異なる
  • 気道:β2 → 気管支拡張
  • :α1 → 散瞳(暗所・緊張時)
  • 消化管:運動・分泌↓(「今は消化より活動」)
  • 代謝:肝で糖放出↑、脂肪分解↑(エネルギー動員)
  • 膀胱:β3で排尿筋弛緩+α1で括約筋収縮 → 蓄尿
  • 汗腺:例外的にACh(ムスカリン)→ 発汗

臨床で重要なポイント

  • 交感神経が過剰になると:動悸、血圧上昇、不安、振戦、不眠 など
  • 交感神経が抑制されすぎると:徐脈、低血圧、めまい(転倒)など
  • 交感神経は薬剤の標的になりやすい(交感神経アゴニスト/アンタゴニスト、中枢性α2作動薬など)