Right Drug(正しい薬剤)

正しい薬剤(Right Drug)を確認するポイント
薬剤の取り違えは、重大な健康被害に直結するインシデントです。「6つのR(Right)」の一つとして、以下のポイントを押さえて確認します。
確認の基本原則
「薬剤名」「規格・含量」「剤形」をセットで確認する
同じ成分でも規格や剤形が異なる製品が多数あるため、薬剤名だけでなく必ず規格・剤形まで確認します。
確認のタイミング
- 指示受け時:医師の指示簿(薬剤名・規格・剤形)を確認
- 薬剤の準備時:薬剤のラベルと指示簿の照合(最も誤りが起こりやすいポイント)
- ダブルチェック時:準備した薬剤と指示簿の再照合(第三者による確認)
- 患者のベッドサイドで:投与直前に薬剤名・規格・患者名を改めて確認
- 投与後:何を投与したか記録し、指示簿と照合
薬剤を間違えやすい原因
| 原因のカテゴリ | 具体例 | 対策 |
|---|---|---|
| 名称類似 | アルマールとアマリール、ノルバスクとノルバデックス、サクシゾンとサクシン など | 一般名・規格まで含めて確認、音読みだけでなく文字でも照合 |
| 外観類似 | PTPシートのデザインや色が似ている、アンプルの形状が同じ など | ラベルの薬剤名を必ず読む、色や形だけで判断しない |
| 規格違い | 同じ薬剤名で規格が複数ある(例:アムロジピン 2.5mg / 5mg / 10mg) | 規格(mg数)まで指差し確認、声出しで読み上げ |
| 剤形違い | 同名薬で錠剤・散剤・シロップ・貼付剤などがある(例:ロキソプロフェン 錠剤 / テープ) | 剤形も含めて確認、指示簻の記載を正確に読む |
| 保管場所の近接 | 薬品棚で隣同士に配置されている薬剤を誤って取る | 棚の配置を工夫(類似薬を隢す)、色分けやアラート表示 |
| 後発品・ジェネリックの複数化 | 同成分でメーカー違いの製品が多数存在し、外観が異なる | 一般名で確認する習慣をつける、採用品変更時は周知徹底 |
| アルファベット・記号の誤解 | CR(徐放)、LA(長時間作用)、OD(口腔内崩壊)などの意味を知らずに取り違える | 薬剤名のアルファベットの意味を理解する(→ アルファベットの意味) |
| 思い込み・注意力低下 | 夜勤や多忙時に「いつもの薬」と思い込んで確認を省略 | 毎回必ず指差し呼称、ダブルチェックを役割として定着させる |
特に注意:ハイリスク薬
抗悪性腫瘍薬、インスリン製剤、抗凝固薬、麻薬などのハイリスク薬は、取り違えが生命に直結します。これらの薬剤は、より慈重な確認体制(ダブルチェック必須など)で運用します。