第3章 調剤室における医薬品の管理
第1章
【 医療安全の確保へ向けた視点 】
医薬品の適切な保管管理は、名称類似・外観類似による医薬品の取り間違い、規格間違い、充填ミスなどを防止する上で非常に重要であり、医薬品関連の事故を防止するための基本となる。
また、有効期間・使用期限を遵守するとともに、医薬品の品質劣化を防止するため、温度、湿度等の保管条件に留意する必要がある。
なお、医薬品の偽造品の流通防止、医薬品に関連した事件発生防止の観点から医薬品が保管されている場所に関係者以外の立ち入りを防ぐ対策についても考慮すること。(改定内容)
【 手順書を定めることが望ましい事項 】
1. 保管管理
2. 品質管理
【 細目】と【 根拠法令 】
1. 保管管理
(1)医薬品の保管領域への立ち入りの制限
○ 医薬品を保管している区域へ立ち入ることができる者の範囲と立ち入る際の方法の管理
薬機法
薬機法 第五十七条の二(陳列等)
(陳列等)
第五十七条の二 薬局開設者又は医薬品の販売業者は、医薬品を他の物と区別して貯蔵し、又は陳列しなければならない。
2 薬局開設者又は店舗販売業者は、要指導医薬品及び一般用医薬品(専ら動物のために使用されることが目的とされているものを除く。)を陳列する場合には、厚生労働省令で定めるところにより、これらを区別して陳列しなければならない。
3 薬局開設者、店舗販売業者又は配置販売業者は、一般用医薬品を陳列する場合には、厚生労働省令で定めるところにより、第一類医薬品、第二類医薬品又は第三類医薬品の区分ごとに、陳列しなければならない。
薬機法施行規則
薬機法施行規則 第十四条の二(薬局医薬品の貯蔵等)
(薬局医薬品の貯蔵等)
第十四条の二 薬局開設者は、薬局医薬品(薬局製造販売医薬品を除く。)を調剤室(薬局等構造設備規則(昭和三十六年厚生省令第二号)第一条第一項第十号に規定する調剤室をいう。)以外の場所に貯蔵し、又は陳列してはならない。ただし、薬局製造販売医薬品、要指導医薬品又は一般用医薬品を通常陳列し、又は交付する場所以外の場所に貯蔵する場合は、この限りでない。
薬機法施行規則 第十四条の三(医薬品を陳列する場所等の閉鎖)
(医薬品を陳列する場所等の閉鎖)
第十四条の三 薬局開設者は、開店時間のうち、薬局製造販売医薬品、要指導医薬品又は一般用医薬品を販売し、又は授与しない時間は、薬局製造販売医薬品、要指導医薬品又は一般用医薬品を通常陳列し、又は交付する場所を閉鎖しなければならない。
2 薬局開設者は、開店時間のうち、薬局製造販売医薬品、要指導医薬品又は第一類医薬品を販売し、又は授与しない時間は、薬局製造販売医薬品陳列区画(薬局等構造設備規則第一条第一項第十号の二ロに規定する薬局製造販売医薬品陳列区画をいう。以下同じ。)、要指導医薬品陳列区画(同項第十一号ロに規定する要指導医薬品陳列区画をいう。以下同じ。)又は第一類医薬品陳列区画(同項第十二号ロに規定する第一類医薬品陳列区画をいう。以下同じ。)を閉鎖しなければならない。ただし、鍵をかけた陳列設備(同項第十号の二イに規定する陳列設備をいう。以下同じ。)に薬局製造販売医薬品、要指導医薬品又は第一類医薬品を陳列している場合は、この限りでない。
3 薬局開設者は、薬剤師不在時間は、調剤室を閉鎖しなければならない。
薬機法施行規則 第二百十八条の三(薬局製造販売医薬品、要指導医薬品及び一般用医薬品の陳列)
(薬局製造販売医薬品、要指導医薬品及び一般用医薬品の陳列)
第二百十八条の三 薬局開設者又は店舗販売業者は、法第五十七条の二第二項(令第七十四条の四第一項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定により、薬局製造販売医薬品、要指導医薬品及び一般用医薬品を次に掲げる方法により陳列しなければならない。
一 薬局製造販売医薬品を陳列する場合には、薬局製造販売医薬品陳列区画の内部の陳列設備に陳列すること。ただし、鍵をかけた陳列設備その他医薬品を購入し、若しくは譲り受けようとする者又は医薬品を購入し、若しくは譲り受けた者若しくはこれらの者によつて購入され、若しくは譲り受けられた医薬品を使用する者が直接手の触れられない陳列設備に陳列する場合は、この限りでない。
二 要指導医薬品を陳列する場合には、要指導医薬品陳列区画の内部の陳列設備に陳列すること。ただし、鍵をかけた陳列設備その他医薬品を購入し、若しくは譲り受けようとする者又は医薬品を購入し、若しくは譲り受けた者若しくはこれらの者によつて購入され、若しくは譲り受けられた医薬品を使用する者が直接手の触れられない陳列設備に陳列する場合は、この限りでない。
三 薬局製造販売医薬品、要指導医薬品及び一般用医薬品を混在させないように陳列すること。
薬機法施行規則 第二百十八条の四(一般用医薬品の陳列)
(一般用医薬品の陳列)
第二百十八条の四 薬局開設者又は店舗販売業者は、法第五十七条の二第三項の規定により、一般用医薬品を次に掲げる方法により陳列しなければならない。
一 第一類医薬品を陳列する場合には、第一類医薬品陳列区画の内部の陳列設備に陳列すること。ただし、鍵をかけた陳列設備その他医薬品を購入し、若しくは譲り受けようとする者又は医薬品を購入し、若しくは譲り受けた者若しくはこれらの者によつて購入され、若しくは譲り受けられた医薬品を使用する者が直接手の触れられない陳列設備に陳列する場合は、この限りでない。
二 指定第二類医薬品を陳列する場合には、薬局等構造設備規則第一条第一項第十三号又は第二条第十二号に規定する情報を提供するための設備から七メートル以内の範囲に陳列すること。ただし、鍵をかけた陳列設備に陳列する場合又は指定第二類医薬品を陳列する陳列設備から一・二メートル以内の範囲に医薬品を購入し、若しくは譲り受けようとする者又は医薬品を購入し、若しくは譲り受けた者若しくはこれらの者によつて購入され、若しくは譲り受けられた医薬品を使用する者が進入することができないよう必要な措置が採られている場合は、この限りでない。
三 第一類医薬品、第二類医薬品及び第三類医薬品を混在させないように陳列すること。
2 配置販売業者は、第一類医薬品、第二類医薬品及び第三類医薬品を混在させないように配置しなければならない。
薬局等構造設備規則
貯蔵設備
第一条
七 冷暗貯蔵のための設備を有すること。
八 鍵のかかる貯蔵設備を有すること。
九 貯蔵設備を設ける区域が、他の区域から明確に区別されていること。
薬局製造医薬品
十の二 薬局製造販売医薬品を販売し、又は授与する薬局にあつては、次に定めるところに適合するものであること。
イ 薬局製造販売医薬品を陳列するために必要な陳列棚その他の設備(以下「陳列設備」という。)を有すること。
ロ 薬局製造販売医薬品を陳列する陳列設備から一・二メートル以内の範囲(以下「薬局製造販売医薬品陳列区画」という。)に医薬品を購入し、若しくは譲り受けようとする者又は医薬品を購入し、若しくは譲り受けた者若しくはこれらの者によつて購入され、若しくは譲り受けられた医薬品を使用する者が進入することができないよう必要な措置が採られていること。ただし、薬局製造販売医薬品を陳列しない場合又は鍵をかけた陳列設備その他医薬品を購入し、若しくは譲り受けようとする者若しくは医薬品を購入し、若しくは譲り受けた者若しくはこれらの者によつて購入され、若しくは譲り受けられた医薬品を使用する者が直接手の触れられない陳列設備に陳列する場合は、この限りでない。
ハ 開店時間のうち、薬局製造販売医薬品を販売し、又は授与しない時間がある場合には、薬局製造販売医薬品陳列区画を閉鎖することができる構造のものであること。
十三 次に定めるところに適合する医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号。以下「法」という。)第九条の四第一項、第四項及び第五項、第三十六条の四第一項、第四項及び第五項並びに第三十六条の六第一項及び第四項に基づき情報を提供し、及び指導を行うための設備並びに法第三十六条の十第一項、第三項及び第五項に基づき情報を提供するための設備を有すること。ただし、複数の設備を有する場合は、いずれかの設備が適合していれば足りるものとする。
ロ 薬局製造販売医薬品を陳列する場合には、薬局製造販売医薬品陳列区画の内部又は近接する場所にあること。
要指導医薬品
十一 要指導医薬品を販売し、又は授与する薬局にあつては、次に定めるところに適合するものであること。
イ 要指導医薬品を陳列するために必要な陳列設備を有すること。
ロ 要指導医薬品を陳列する陳列設備から一・二メートル以内の範囲(以下「要指導医薬品陳列区画」という。)に医薬品を購入し、若しくは譲り受けようとする者又は医薬品を購入し、若しくは譲り受けた者若しくはこれらの者によつて購入され、若しくは譲り受けられた医薬品を使用する者が進入することができないよう必要な措置が採られていること。ただし、要指導医薬品を陳列しない場合又は鍵をかけた陳列設備その他医薬品を購入し、若しくは譲り受けようとする者若しくは医薬品を購入し、若しくは譲り受けた者若しくはこれらの者によつて購入され、若しくは譲り受けられた医薬品を使用する者が直接手の触れられない陳列設備に陳列する場合は、この限りでない。
ハ 開店時間のうち、要指導医薬品を販売し、又は授与しない時間がある場合には、要指導医薬品陳列区画を閉鎖することができる構造のものであること。
十三 次に定めるところに適合する医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号。以下「法」という。)第九条の四第一項、第四項及び第五項、第三十六条の四第一項、第四項及び第五項並びに第三十六条の六第一項及び第四項に基づき情報を提供し、及び指導を行うための設備並びに法第三十六条の十第一項、第三項及び第五項に基づき情報を提供するための設備を有すること。ただし、複数の設備を有する場合は、いずれかの設備が適合していれば足りるものとする。
ハ 要指導医薬品を陳列する場合には、要指導医薬品陳列区画の内部又は近接する場所にあること。
第一類医薬品
十二 第一類医薬品を販売し、又は授与する薬局にあつては、次に定めるところに適合するものであること。
イ 第一類医薬品を陳列するために必要な陳列設備を有すること。
ロ 第一類医薬品を陳列する陳列設備から一・二メートル以内の範囲(以下「第一類医薬品陳列区画」という。)に医薬品を購入し、若しくは譲り受けようとする者又は医薬品を購入し、若しくは譲り受けた者若しくはこれらの者によつて購入され、若しくは譲り受けられた医薬品を使用する者が進入することができないよう必要な措置が採られていること。ただし、第一類医薬品を陳列しない場合又は鍵をかけた陳列設備その他医薬品を購入し、若しくは譲り受けようとする者若しくは医薬品を購入し、若しくは譲り受けた者若しくはこれらの者によつて購入され、若しくは譲り受けられた医薬品を使用する者が直接手の触れられない陳列設備に陳列する場合は、この限りでない。
ハ 開店時間のうち、第一類医薬品を販売し、又は授与しない時間がある場合には、第一類医薬品陳列区画を閉鎖することができる構造のものであること。
十三 次に定めるところに適合する医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号。以下「法」という。)第九条の四第一項、第四項及び第五項、第三十六条の四第一項、第四項及び第五項並びに第三十六条の六第一項及び第四項に基づき情報を提供し、及び指導を行うための設備並びに法第三十六条の十第一項、第三項及び第五項に基づき情報を提供するための設備を有すること。ただし、複数の設備を有する場合は、いずれかの設備が適合していれば足りるものとする。
ニ 第一類医薬品を陳列する場合には、第一類医薬品陳列区画の内部又は近接する場所にあること。
ホ 指定第二類医薬品(施行規則第一条第三項第五号に規定する指定第二類医薬品をいう。以下同じ。)を陳列する場合には、指定第二類医薬品を陳列する陳列設備から七メートル以内の範囲にあること。ただし、鍵をかけた陳列設備に陳列する場合又は指定第二類医薬品を陳列する陳列設備から一・二メートル以内の範囲に医薬品を購入し、若しくは譲り受けようとする者若しくは医薬品を購入し、若しくは譲り受けた者若しくはこれらの者によつて購入され、若しくは譲り受けられた医薬品を使用する者が進入することができないよう必要な措置が採られている場合は、この限りでない。
放射線医薬品
第一条
2 放射性医薬品(放射性医薬品の製造及び取扱規則(昭和三十六年厚生省令第四号)第一条第一号に規定する放射性医薬品をいう。以下同じ。)を取り扱う薬局は、前項に定めるもののほか、次に定めるところに適合する貯蔵室を有しなければならない。ただし、厚生労働大臣が定める数量又は濃度以下の放射性医薬品を取り扱う場合は、この限りでない。
一 地崩れ及び浸水のおそれの少ない場所に設けられていること。
二 主要構造部等(建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第二条第五号に規定する主要構造部並びに内部を区画する壁及び柱をいう。以下同じ。)が耐火構造(同法第二条第七号に規定する耐火構造をいう。以下同じ。)であり、かつ、その開口部には、建築基準法施行令(昭和二十五年政令第三百三十八号)第百十二条第一項に規定する特定防火設備に該当する防火戸(第九条第一項第三号において「防火戸」という。)が設けられていること。ただし、放射性医薬品を耐火性の構造の容器に入れて保管する場合は、この限りでない。
三 次の線量を、それぞれについて厚生労働大臣が定める線量限度以下とするために必要な遮蔽壁その他の遮蔽物が設けられていること。
イ 貯蔵室内の人が常時立ち入る場所において人が被曝するおそれのある放射線の線量
ロ 貯蔵室の境界における放射線の線量
四 人が常時出入りする出入口は、一箇所であること。
五 扉、蓋等外部に通ずる部分には、鍵その他閉鎖のための設備又は器具が設けられていること。
六 別表に定めるところにより、標識が付されていること。
七 放射性医薬品による汚染の広がりを防止するための設備又は器具が設けられていること。
3 放射性物質又は放射性物質によつて汚染された物の廃棄を行う薬局の廃棄設備の基準については、第九条第一項第四号の規定を準用する。この場合において、同号ニの(4)中「作業室、試験検査室」とあるのは「調剤室」と読み替えるものとする。
4 放射性医薬品を密封された状態でのみ取り扱う薬局において、放射性医薬品の容器又は被包の表面の線量率が厚生労働大臣が定める線量率を超える場合には、次に定めるところに適合する調剤室を有しなければならない。
一 第二項第一号、第二号、第四号、第五号及び第七号に定めるところに適合すること。
二 第二項第三号の基準に適合する遮蔽壁その他の遮蔽物が設けられていること。
5 放射性医薬品を密封されていない状態で取り扱う薬局の構造設備の基準については、第九条(第一項第三号及び第四号を除く。)の規定を準用する。この場合において、同条第一項中「第六条及び第七条」とあるのは「第一条第一項、第二項及び第三項」と、同項第二号中「放射性医薬品に係る製品の作業所」とあるのは「放射性医薬品を取り扱う薬局内の放射性物質を取り扱う場所」と、同号ホ中「作業室及び試験検査室」とあるのは「調剤室」と読み替えるものとする。