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03-02 心不全治療薬|基礎理解

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目的:心不全の病態と治療薬を、「うっ血を改善する薬」と「長期的な悪化を防ぐ薬」に分けて整理する。
想定時間:約6~8分/全9枚
中心となる問い:心不全治療薬は、患者の何を改善するために使われているのか。

到達目標

事前学習後、学生が次のことを説明できる状態を目指す。
  1. 心不全を「うっ血」と「低灌流」から説明できる
  1. 心拍出量低下に対する交感神経系・RAASの代償反応を説明できる
  1. 心不全治療薬を、症状改善と長期的な悪化予防の目的で分類できる
  1. 体重、呼吸、尿量、血圧、脈拍、腎機能、電解質を確認する理由を説明できる

Quarto想定

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  • 終了条件:確認問題3問に回答してから対面授業へ進む

スライド構成

Slide 1|心不全治療薬

学生に残すメッセージ
心不全では、薬の名前ではなく「今のうっ血を改善する薬」と「長期的な悪化を防ぐ薬」に分けて考える。

Slide 2|今回のゴール

  • 心不全で起こるうっ血と低灌流を説明する
  • 神経体液性因子が心不全を悪化させる流れを説明する
  • 治療薬を目的別に分類する
  • 効果と副作用を確認する観察項目を挙げる

Slide 3|心不全とは

心臓の構造・機能異常によって、必要な血液を送り出しにくくなり、うっ血や低灌流を生じる症候群。
うっ血低灌流
息切れ、起坐呼吸倦怠感、活動耐容能低下
肺うっ血、SpO₂低下四肢冷感
浮腫、体重増加尿量低下
頸静脈怒張、腹部膨満意識状態の変化
単独の症状ではなく、複数の所見と経過を組み合わせて考える。

Slide 4|心拍出量が低下すると何が起こるか

心拍出量低下
↓
交感神経系・RAAS活性化
↓
頻脈・血管収縮・Naと水の貯留
短期的には血圧と臓器灌流を維持するが、持続すると前負荷・後負荷・心筋酸素需要が増え、心不全を悪化させる。

Slide 5|うっ血はなぜ起こるか

Na・水貯留
↓
循環血液量増加
↓
静脈圧上昇
↓
肺うっ血・末梢浮腫・体重増加
確認の問い:短期間の体重増加は、何の変化を示唆するか。

Slide 6|心不全を左室駆出率で分類する

分類LVEFの目安基本的な理解
HFrEF40%以下収縮能が低下した心不全
HFmrEF41~49%軽度低下した心不全
HFpEF50%以上収縮能が保たれていても、充満障害などで心不全を生じる
LVEFだけで重症度を決めず、症状、身体所見、BNP/NT-proBNP、画像、経過を合わせて評価する。

Slide 7|治療目的を2つに分ける

目的主な薬効群患者に期待する変化
今のうっ血を改善主にループ利尿薬呼吸困難・浮腫の軽減、体重・体液量の適正化
長期的な悪化・入院を防ぐARNI/ACE阻害薬/ARB、β遮断薬、MRA、SGLT2阻害薬など神経体液性因子の抑制、心負荷・イベントの低減
実際の治療は心不全の型、血圧、脈拍、腎機能、K、併存疾患などに応じて個別化する。

Slide 8|HFrEFの主要薬と観察の入口

薬効群主な役割観察の入口
ARNI/ACE阻害薬/ARBRAAS等を抑え、心負荷を軽減血圧、腎機能、K、めまい、ACE阻害薬では咳・血管浮腫
β遮断薬過剰な交感神経刺激を抑制脈拍、血圧、呼吸、体重、浮腫、倦怠感
MRAアルドステロン作用を抑制K、腎機能、血圧
SGLT2阻害薬心不全イベント低減に用いる体液量、腎機能、感染、絶食・急性疾患時のケトアシドーシス徴候
ループ利尿薬Na・水を排泄し、うっ血を改善体重、尿量、血圧、腎機能、Na、K

Slide 9|事前確認問題

  1. 心不全でNa・水が貯留すると、患者にどのような変化が起こるか。
  1. 「今のうっ血を改善する薬」と「長期的な悪化を防ぐ薬」を1つずつ挙げよ。
  1. 心不全治療中に毎日体重を確認する理由を説明せよ。
解答
  1. 循環血液量・静脈圧が上昇し、体重増加、浮腫、肺うっ血、呼吸困難などが起こり得る
  1. 例:うっ血改善はループ利尿薬、長期的悪化予防はARNI、ACE阻害薬、ARB、β遮断薬、MRA、SGLT2阻害薬など
  1. 短期間の体重変化から体液量の増減を推測し、うっ血悪化や過度の利尿を早期に見つけるため

対面授業への接続

3日間で体重が2.3kg増え、下腿浮腫と夜間の呼吸困難が出現した。心不全治療薬を服用しているこの患者に、何が起きているのか。

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参考資料

確認日:2026年9月24日