抗血栓薬服用者に対する消化器内視鏡診療ガイドライン 直接経口抗凝固薬(DOAC)を含めた抗凝固薬に関する追補2017
- ワルファリン
- 通常の消化器内視鏡:休薬は不要
- PT-INR が通常の治療域であることを確認
- PT-INR 3.0を超えていたら(検査1週間以内の測定値)、生検は避ける
- 出血高危険度の消化器内視鏡
- ヘパリン置換は後出血リスクをあげる可能性がある
- INR が治療域であればワルファリン継続下
- 非弁膜症性心房細動の場合には DOAC へ一時的変更
- ワルファリンと抗血小板薬(アスピリン,チエノピリジン) を併用
- 出血高危険度の消化器内視鏡:症例に応じて慎重に対応
- 抗血栓薬の休薬が可能となるまで内視鏡の延期が好ましい
- 内視鏡の延期が困難な場合には,抗血小板薬はアスピリンまたはシロスタゾールにして, INR を治療域に保ったワルファリン継続下あるいはヘパリン置換を考慮する
- または非弁膜症性心房細動の場合には事前のワルファリンから DOAC への一時的変更も考慮してよい.
- DOAC
- 通常の消化器内視鏡:休薬は不要
- 粘膜生検や出血低危険度の消化器内視鏡:休薬は不要
- ただし、血中濃度のピーク期を避け,抗凝固活性が低下した血中濃度のトラフ期(服用から 2-4 時間)に行う
- 出血高危険度の消化器内視鏡:
- DOAC 服用者は前日まで内服を継続
- 処置当日の朝から内服を中止
- 内服は翌日の朝から再開する
- 内視鏡施行前に腎機能を確認しておくことが望まれる(腎機能低下例では抗凝固効果の増強や中止後遷延の可能性に留意する).
- DOAC と抗血小板薬を併用
- 出血高危険度の消化器内視鏡:症例に応じて慎重に対応
- 抗血栓薬の休薬が可能となるまで内視鏡の延期が好ましい
- 内視鏡の延期が困難な場合
- 抗血小板薬はアスピリンかシロスタゾール単独投与にして継続する
- DOAC は処置当日の朝から内服を中止し,翌日朝から再開する.
血栓塞栓症の危険性の高い群
- CHADS2スコア:非弁膜症性心房細動における脳梗塞のリスクと関連し,臨床的に血栓症のリスクを評価できる
- 可溶性フィブリン(SF および FMC):凝固亢進状態を反映し,血栓症および血 栓準備状態を推測する凝固系分子マーカーとして 注目されている(ただし,現時点での保険適用 は播種性血管内凝固症候群,静脈血栓症または肺 動脈血栓塞栓症の診断,及び治療経過の観察となる)
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