薬疹
薬疹
薬疹は、薬剤(内服・注射・外用など)により生じる皮膚症状の総称。多くは軽症だが、SJS/TENやDRESSなど生命予後に関わる重症薬疹も含まれるため、重症サインを見逃さず早期受診につなげることが重要。
1) 薬疹の全体像(分類イメージ)
- 軽症〜中等症の薬疹
- 蕁麻疹型(急に膨疹・かゆみ)
- 紅斑丘疹型(いわゆる「全身に赤い発疹」:最も多い)
- 固定薬疹(同じ場所に繰り返す)
- 重症薬疹(要注意)
- SJS/TEN:粘膜障害+びらん/水疱・表皮剥離
- DRESS(薬剤性過敏症症候群):発熱+臓器障害(肝障害など)+好酸球増多 など
- AGEP:急性発症の多数の膿疱+発熱
2) 発症時期の目安(ざっくり)
- 新規薬剤開始後 数日〜2週間で出ることが多い(例外あり)
- 既に飲んでいた薬でも、体調変化・相互作用・再投与で起こることがある
- 重要:「いつから何を開始したか」(開始日・中止日・頓用も含む)を時系列で整理する
3) 症状の見方(軽症と重症の見分け)
軽症に多い所見
- かゆみ主体の発疹(紅斑丘疹)
- 蕁麻疹(出たり消えたり)
- 全身状態は比較的良好、発熱がない/軽い
重症サイン(この場合は当日受診レベル)
- 発疹に加えて 高熱、強い倦怠感
- 口・目・陰部の痛み/ただれ(粘膜症状)
- 水疱、びらん、皮膚がむける
- 顔面の強い腫れ、嚥下困難、呼吸苦
- 目の痛み・充血、視力低下
- 肝機能障害を疑う症状(黄疸、褐色尿)や、広範なリンパ節腫脹 など
4) 受診時に伝えるべき情報(患者指導の要点)
- 服用/使用中の薬剤リスト(処方薬・市販薬・サプリ含む)
- 開始日、増減量、飲み忘れ、頓用の有無
- 発疹の出現日、広がり方、発熱や粘膜症状の有無
- 過去の薬疹歴、アレルギー歴
5) 対応の基本(概要)
- 原因薬の同定と中止が基本(ただし自己判断で中止せず、特に抗てんかん薬・ステロイド等は医師判断が必要)
- 皮膚症状の対症療法(抗ヒスタミン薬、外用ステロイドなど)は病型・重症度で判断
- 重症薬疹が疑われる場合は入院管理・専門科(皮膚科、眼科等)連携
一言まとめ:薬疹は多くが軽症だが、「発熱+粘膜症状(口・目)+水疱/びらん/皮膚剥離」があれば重症を疑い、当日受診につなげる。

重症型薬疹