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BPSD

認知症におけるアジテーション

アジテーションとは?

  • 徘徊や同じ動作の反復などの活動亢進
  • 攻撃的発言
  • 攻撃的行動
のうち少なくとも1つ以上の症状からなり、患者さんの日常生活、社会生活、人間関係のいずれかに支障を来した状態。アルツハイマー型認知症の患者さんの約半数で認められる。
 

せん妄の評価

せん妄は症状が多彩で変化しやすいため目的に合わせて評価ツールを選択する

治療薬

治療薬一覧

BPSDに適応がある薬
抗精神病薬
〈アルツハイマー型認知症に伴う焦燥感、易刺激性、興奮に起因する、過活動又は攻撃的言動〉
抗精神病薬
脳梗塞後遺症に伴う〜せん妄の改善
せん妄
せん妄は、原因を伴う意識障害であり、その症状は一過性の症状で、基本的な対応としては、直接的な原因を同定し、可能であればその除去が重要な対応となる。
せん妄に対する予防・対症療法として、非薬物的な対応が最も重要となる。
 
せん妄の薬物治療について:
せん妄の薬物療法には、抗精神病薬が用いられている(適応外であることを理解したうえ)。
その治療効果に関する高品質なエビデンスは不足しており、特に終末期患者における治療の有効性と安全性についてはさらなる研究とされている。
せん妄に対して使われる薬/有効性が期待されている薬
第二世代 (SGA)/非定型抗精神病薬
ネットワークメタ解析
  • 有効性:ブレクスピラゾール(-1.77, 95% CI -2.80 to -0.74)
  • 忍容性:
    • アリピプラゾール (0.72, 95% CI 0.54 to 0.96)
    • オランザピン (6.02, 95% CI 2.87 to 12.66)
    • ブレクスピプラゾールは、転倒についてより安全性が高かった
第一世代 (FGA)/定型抗精神病薬
注釈 [ ] の説明
[1] 本当にわかる 精神科の薬はじめの一歩 改訂第3版
[2] 「これからはじめる非がん患者の緩和ケア 第2版」
メラトニン受容体作動薬
せん妄に伴う不眠障害に使用される
オレキシン受容体拮抗薬
 
NMDA受容体拮抗薬
メマンチン
漢方薬
抑肝散
抑肝散陳皮半夏
 

マルチモビディティの観点からみた薬剤

腎機能
 
肝機能
高度な肝機能障害患者に禁忌
  • メラトニン受容体作動薬
  • オレキシン受容体拮抗薬
 
高血糖
第二世代抗精神病薬/非定形抗精神病薬
  • クエチアピン
薬物相互作用
禁忌
  • 抗うつ薬/フルボキサミン(CYP1A2):メラトニン受容体作動薬
  • CYP3A4阻害薬:オレキシン受容体拮抗薬
 
 

患者背景からみた薬剤

妊婦
 
生殖能を持つ者
 
授乳婦
 
小児等
 
高齢者
 
 

主な副作用

錐体外路症状
ドパミン受容体遮断作用
第一世代抗精神病薬/定形抗精神病薬
起立性低血圧
α1受容体遮断作用
トラゾドン
うつ病による不安と不眠を伴う患者などに対して用いられるが、α1受容体遮断作用も持つため、起立性低血圧リスクがあることに注意が必要
夜間起床時の転倒リスク
(鼻閉がある人では、症状悪化の可能性もある)
 

生活面からみた薬剤

|  食 事  |  排 泄  |  睡 眠  |  運 動  |  認知機能  |
食事の影響
 
スボレキサント:
食後服用で、T1/2延長(翌朝の持ち越し効果)するため、食後2時間は服用を避ける必要がある
参考資料)
「これからはじめる非がん患者の緩和ケア 第2版」