睡眠薬/抗不安薬
治療薬
特長:
- ベンゾジアゼピン系薬物:
- 以前のバルビツール酸系と比べて安全性は高い
- 依存性、転倒に注意する必要がある
- 必要な方には適切に使い、不要になったら、徐々に減薬する
- 新規薬理作用の睡眠薬
- 依存性・転倒リスクが減少
- 特に高齢者において、うまく活用することが大切
睡眠薬一覧
睡眠薬

非ベンゾジアゼピン系
(Z-薬)
オレキシン受容体拮抗薬
メラトニン受容体作動薬
バルビツール酸系睡眠薬
抗不安薬一覧
ベンゾジアゼピン系抗不安薬
非ベンゾジアゼピン系抗不安薬
マルチモビディティの観点からみた薬剤
腎機能
肝機能
患者背景からみた薬剤
妊婦
妊娠初期
- ベンゾジアゼピン系薬剤
- 口唇口蓋裂・先天異常全体、共にベースラインリスクを大きく上げることはないと考えられている
妊娠中期
妊娠末期
- ベンゾジアゼピン系薬:
- 出産に近い時期に服用
- 新生児不適応症候群(PNAS)
- 分娩後、注意深く児を観察
生殖能を持つ者
授乳婦
授乳婦
- 背景:治療の必要性?
- 妊娠・出産に伴う身体的・心理的変化によって、多くの妊産婦が夜間の不眠症状と、それに伴う日中の眠気・疲労・集中力の欠如を呈する
- 産後うつ病に移行させないためにも、母が十分に休養を取れるようにすることが重要
小児等
高齢者
生活面からみた薬剤
| 食 事 | 排 泄 | 睡 眠 | 運 動 | 認知機能 |
食事
苦味
患者さんへの説明 〜よく話題になること
睡眠薬を飲むと認知症になると聞いて⼼配です。
(今から、10年くらい前に、週刊誌でそのようなことが話題になったことがありました。時々、週刊誌で取り上げられる話題です)
睡眠薬を飲むと、認知症になりやすいか?については、結果が異なるいろんな情報があり、結論は出ていません。
現在のところ、次のように考えられています。
- 睡眠薬の影響
- 「数年〜数10年にわたって、長期間服用している人で、服用していない方と比較して、1.5〜3倍程度、かかりやすくなるようだ」と言われています
- 不眠症の影響
- 不眠症自体に、認知機能の低下をきたすリスクがあると言われています
不眠症自体の悪影響があるため、「睡眠薬を飲まない」のではなく、薬物以外の生活の工夫をしながら、上手に睡眠薬を使って体を休めることが大切です。
睡眠習慣がつくようになったら、睡眠薬は、医師の指導のもと、少しずつ減らしていきましょう。
参照)
睡眠薬の適正な使用と休薬のための診療ガイドライン
ー出⼝を見据えた不眠医療マニュアルー