3. 周術期や処置と休薬

ガイドライン
 

抜歯

1. 抗血小板療法

(1) 従来の抗血小板薬(アスピリン、チクロピジン、クロピドグレル、シロスタゾールなど)単剤を服用している患者

薬剤を継続下で抜歯を行うことを弱く推奨する (SR1.1.1.GRADE 2C:弱い推奨/エビデンスの質“低い”)

(2) 新しい抗血小板薬(プラスグレル、チカグレロル)単剤を服用している患者

薬剤を継続下で抜歯を行うことを弱く推奨する (SR1.1.2.GRADE 2D:弱い推奨/エビデンスの質“非常に低”)

(3) 複数の抗血小板薬を服用している患者

薬剤を継続下で抜歯を行うことを弱く推奨する (SR1.2.GRADE 2C:弱い推奨/エビデンスの質“低”)

2. 抗凝固療法

(1) ワルファリン単剤を服用している患者

ワルファリン継続下で抜歯を行うことを弱く推奨する (SR2.1.1.GRADE 2C:弱い推奨/エビデンスの質“低”)

(2) 直接経口抗凝固薬(DOAC)単剤を服用している患者

休薬下の抜歯に比較して、DOAC 継続下で抜歯を行うことを弱く推奨する (SR2.1.2.GRADE 2D:弱い推奨/エビデンスの質“非常に低”)

3. 抗血小板薬と抗凝固薬の併用患者

患者間のリスクにばらつきがあり、本ガイドラインでは推奨を行わない。専門医療機関での抜歯が望ましいと考えられる
 

消化管内視鏡

単剤

ワルファリン

  • 通常の消化器内視鏡:ワルファリン継続下
  • 内視鏡的粘膜生検・出血低危険度の消化器内視鏡:ワルファリン継続下で可能(PT-INR が通常の治療域であることを確認)
  • 出血高危険度の消化器内視鏡:
    • ヘパリン置換・・出血リスクを上げる可能性
    • INR が治療域であれば、ワルファリン継続下
    • INR が治療域・非弁膜症性心房細動:DOACへの一時的変更

DOAC

  • 通常の消化器内視鏡:継続下・・・休薬なしに施行可能
  • 内視鏡的粘膜生検・出血低危険度の消化器内視鏡:継続下・・・Tmax を避ける
  • 出血高危険度の消化器内視鏡:当日の朝から内服中止、翌日の朝から再開

併用

  • ワルファリンと抗血小板薬(アスピリン、チエノピリジン)
    • 出血高危険度の消化器内視鏡:症例に応じて慎重に対応
    • 抗血栓薬の休薬が可能になるまで内視鏡の延期が好ましい
    • 内視鏡の延期が困難な場合、(原文参照)
  • DOAC と抗血小板薬
    • 出血高危険度の消化器内視鏡:症例に応じて慎重に対応
    • 抗血栓薬の休薬が可能になるまで内視鏡の延期が好ましい
    • 内視鏡の延期が困難な場合、(原文参照)
 
 

参考)

術前中止薬管理アプリ