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麻薬性鎮痛薬

麻薬性鎮痛薬(オピオイド鎮痛薬)

① 薬効群の概要

  • 麻薬性鎮痛薬(オピオイド鎮痛薬)は、オピオイド受容体に作用して強力な鎮痛効果を発揮する薬物の総称
  • 主にがん性疼痛や術後疼痛など、非麻薬性鎮痛薬では管理困難な中等度〜高度の痛みに用いられる
  • 麻薬及び向精神薬取締法により厳格に管理される
  • WHO三段階除痛ラダーの第2段階(弱オピオイド)・第3段階(強オピオイド)に位置づけられる

② 作用機序

  • 中枢神経系に存在するオピオイド受容体(μ・κ・δ)に結合し、痛みの伝達を抑制する
  • 主に μ(ミュー)受容体 への作用が鎮痛の中心
    • μ受容体:鎮痛・多幸感・呼吸抑制・便秘・身体依存
    • κ受容体:鎮痛・鎮静・不快感
    • δ受容体:鎮痛・気分の調節
  • 下行性疼痛抑制系を賦活し、脊髄後角での痛み信号の伝達を抑える
  • 大脳皮質に作用して痛みの情動的側面(苦痛感)も軽減する

③ 代表薬

鎮痛効果の強さによる分類

強オピオイド

代表薬(一般名)先発品例特徴
モルヒネ モルヒネ MSコンチン錠、オプソ内服液、アンペック坐剤オピオイドの基本薬。経口・注射・坐剤など剤形豊富。腎機能低下時は代謝物蓄積に注意
オキシコドン オキシコドン オキシコンチンTR錠、オキノーム散モルヒネと同等の鎮痛力。腎機能低下時にもモルヒネより使いやすい
フェンタニル フェンタニル デュロテップMTパッチ、フェントステープ、アブストラル舌下錠モルヒネの約50〜100倍の鎮痛力。貼付剤は72時間持続。突出痛にはレスキュー製剤あり
ヒドロモルフォンナルサス錠、ナルラピド錠モルヒネの約5倍の鎮痛力。腎機能低下時にも比較的安全
メサドンメサペイン錠他のオピオイドで効果不十分な場合に使用。処方医登録制度あり

弱オピオイド

代表薬(一般名)先発品例特徴
コデインコデインリン酸塩錠鎮痛のほか鎮咳・止瀉作用もある。体内でモルヒネに代謝される
トラマドールトラマール、ワントラムμ受容体作用に加え、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害作用も持つ。麻薬指定ではない

非オピオイド

 

④ 看護のポイント(観察事項)

  • 呼吸抑制:最も重篤な副作用。呼吸数・SpO₂を定期的に観察(呼吸数 10回/分以下は要報告)
  • 悪心・嘔吐:投与初期に出やすい。制吐薬の併用を検討。数日で耐性ができることが多い
  • 便秘:ほぼ必発で耐性ができにくい。緩下剤の予防的投与が重要
    • 耐性ができにくい=薬を飲むと便秘になる
  • 眠気・傾眠:投与初期や増量時に注意。転倒リスクの評価
  • 掻痒感:ヒスタミン遊離による。モルヒネで起きやすい
  • 尿閉:排尿状況を確認する
  • せん妄・幻覚:高齢者や腎機能低下時に注意
⚠️
麻薬の管理:鍵のかかる場所に保管し、使用量・残量を記録する。空アンプルの返却・廃棄も法律で定められている。
 
伝えたいこと:
慢性疼痛(がん患者等)のある方に対して、医療者が正しく鎮痛目的で使う場合、長期使用しても依存性は形成されない
→痛みは我慢せずに、適正に使用する
 

関連薬

末梢性μオピオイド受容体拮抗薬(PAMORA)
  • オピオイド誘発性便秘症の治療薬
オピオイド受容体拮抗薬
  • オピオイド中毒の治療薬

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