注射剤の確認事項

注射剤の確認事項

注射製剤は直接血管内等に注入することから、ミスが健康被害に直結するため、特に注意が必要。

0. まず押さえる(必須)

  • 用法:静注(ボーラス)/点滴静注/皮下/筋注/中心静脈のみ 等
  • 投与速度:急速投与禁・緩徐投与指定の有無
  • 希釈の要否:原液投与可否、最終濃度の上限
  • 溶解液・希釈液:種類(生食・5%ブドウ糖・注射用水 等)と液量の指定
  • 配合変化:他剤混注の可否(同一ルート可否、Yサイト可否)

1. 調製前(処方監査・疑義照会ポイント)

  • 禁忌・アレルギー歴(特に抗菌薬・造影剤・生物学的製剤など)
  • 腎機能・肝機能に応じた用量調整の要否
  • 体重換算・BSA(抗がん剤、免疫抑制薬等)
  • 製剤規格の取り違え(濃度違い、単位違い、mg↔mL、IU など)
  • 投与ルートの適否(末梢で可か/中心静脈が必要か、刺激性・壊死性薬剤)
  • 投与量に対して希釈量・投与時間が妥当か(濃度が高すぎないか)

2. 調製時(溶解・希釈・混注)

2-0 準備

  • 容器に破損がないか
  • 脱酸素剤の色変はないか

2-1 溶解

  • 指定溶解液の確認(専用溶解液の有無、注射用水/生食/糖液など)
  • 溶解手技(激しく振盪しない、泡立てない、溶解後の静置など指定の有無)
  • 溶解後の外観(澄明・色調・沈殿の有無)

2-2 希釈

  • 指定希釈液の確認(生食不可/糖液のみ等)
  • 最終濃度の上限、希釈後の安定性(使用期限、遮光、冷所など)

2-3 混注(配合変化)

  • 他剤混注の可否(配合不可・配合注意)
  • Ca含有輸液との相互作用(沈殿リスク)
  • pH差で変化しやすい組合せ(アルカリ性薬剤・酸性薬剤)
関連ページ)配合変化

3. 投与準備(デバイス・ライン)

  • フィルターの要否(専用フィルター、フィルター不可の製剤など)
  • ライン材質の注意(PVC吸着、DEHPフリー必要など)
  • ルートの前後フラッシュ(必要な場合:混注回避、閉塞・析出予防)
  • 遮光の要否(遮光カバー)

4. 投与中(観察ポイント)

  • 直後の副作用:アナフィラキシー、血圧低下、呼吸状態など
  • 血管痛・静脈炎、血管外漏出(発赤・腫脹・疼痛・滴下不良)
  • 投与速度が指示通りか(シリンジポンプ/輸液ポンプ設定)

5. 事故につながりやすい「よくある注意」

  • 原液静注が危険な薬剤(必ず希釈)
  • 専用溶解液・専用希釈液がある薬剤(誤ると失活/沈殿)
  • Ca含有輸液と相性が悪い薬剤(沈殿)
  • 配合変化が多い薬剤(ルート分離、単独投与)