食 事
ホルモン調節
摂食を促進
- グレリン
- オレキシン
- ニューロペプチドY
摂食を抑制(満腹)
- インスリン
- レプチン
- GLP-1
食行動の過程のうち、薬がどのような影響を及ぼす可能性があるのか、過程ごとに列挙しました。
- 食事を食べたいと思う・・・認知機能、食欲
- 食事を用意する・・・筋力低下・ふらつきのため、移動や持ち運びに制限がある
- お茶碗と箸を持つ・・・筋力低下や震えなどがあり、動作が難しい
- 食物を噛んで飲み込む・・・唾液分泌が低下している・口内炎があり、嚥下が難しい
- 食塊が消化器官の中を移動する・・・消化管運動が低下している 等
- 体内で消化される・・・消化液の分泌が抑制される
- 便として排泄・・・便秘や腹部膨満感から、食欲が低下している
食欲を低下させる可能性がある薬の作用機序:
- 薬の薬理作用
- 食欲減退作用
- 薬の副作用
- 消化管障害:消化管の炎症
- 悪心・嘔吐:催吐作用
- 便秘・・腹部膨満感から食欲低下
- 下痢
- 感覚器:薬の苦味・異臭、味覚障害
- 薬の効きすぎ
- 中枢神経抑制作用、過鎮静
唾液
唾液分泌に影響する可能性がある薬の作用:
- 薬の薬理作用
- 薬の副作用
- 唾液分泌減少:抗コリン作用
- 薬の効きすぎ
口腔内
口腔内環境に影響する可能性がある薬の作用:
- 薬の薬理作用
- 薬の副作用
- 口内炎・食道炎
- 易感染性
- 歯肉肥厚
- 薬の効きすぎ
腹部症状
腹部症状に影響する可能性がある薬の作用:
腸管の蠕動運動を低下させる:
‥腹部膨満感から食欲低下につながる可能性
- 薬の薬理作用
- 止痢薬の一部
- 薬の副作用
- 抗コリン作用
- 蠕動運動低下
- 薬の効きすぎ
腹部症状が現れる
- 薬の副作用
食欲亢進
- 薬の薬理作用
- がん悪液質治療薬:アナモレリン
- 消化管運動亢進
- 制吐薬
- 漢方薬
- 薬の副作用
- 食欲亢進
- 副腎皮質ステロイド
- 抗ヒスタミン作用
- 抗ドパミン作用(中枢)
- 抗精神病薬(フェノチアジン系、ブチロフェノン系)
- 抗うつ薬
- 薬の副作用
- 食欲亢進
- 代謝への影響
- 浮腫
- 体液量増加
- 鉱質コルチコイド作用
- 抗利尿作用
- 血行動態への影響
アセスメント
初発症状
<早期に認められる症状>
薬物性味覚障害は高齢者に多く、複数の薬剤を服用しており、また発症までの時間や症状もまちまちで、初期の症状を捉えることは困難なことが多い。初期症状を含め、よく訴える症状に以下のようなものがある。
1:味(甘・塩・酸・苦)が感じにくい
2:食事が美味しくない
3:食べ物の好みが変わった
4:金属味や渋味など、嫌な味がする
5:味のしないところがある
6:口が渇く
<患者が訴えうる自覚症状>
1:味覚減退:「味が薄くなった、味を感じにくい」
2:味覚消失・無味症:「まったく味がしない」
3:解離性味覚障害:「甘みだけがわからない」
4:異味症・錯味症:「しょう油が苦く感じる」
5:悪味症:「何を食べても嫌な味になる」
6:味覚過敏:「味が濃く感じる」
7:自発性異常味覚:「口の中に何もないのに苦みや渋みを感じる」
8:片側性味覚障害:一側のみの味覚障害
- SGLT2阻害薬
- 糖尿病治療薬
- NSAIDs
- 降圧薬ならびに利尿薬
- 活性型ビタミンD3製剤
- 腎機能低下時に有害反応のリスクが増大する薬物