内服薬

処方欄には、投薬すべき医薬品名、分量、用法及び用量を記載します
 

「分量」

基本的なルール

別紙2 診療録等の記載上の注意事項 第5 処方箋の記載上の注意事項 7 「処方」欄について (2) 分量は、内服薬については1日分量、内服用滴剤、注射薬及び外用薬については投与総量、 屯服薬については1回分量を記載すること。 (3) 用法及び用量は、1回当たりの服用(使用)量1日当たり服用(使用)回数及び服用(使用)時点(毎食後、毎食前、就寝前、疼痛時、○○時間毎等)、投与日数(回数)並びに服用(使用)に際しての留意事項等を記載すること。特に鎮痛・消炎に係る効能・効果を有する貼付剤(麻薬若しくは向精神薬であるもの又は専ら皮膚疾患に用いるものを除く。) については、1回当たりの使用量及び1日当たりの使用回数又は投与日数を必ず記載すること。 なお、分割指示に係る処方箋を交付する場合は、分割した回数ごとにそれぞれ調剤すべき投与日数(回数)を記載し、当該分割指示に係る処方箋における総投与日数(回数)を付記すること。

内服薬の場合

分量

内服薬の場合、1日分量を記載します

用法及び用量

用法・用量については、以下の事項を記載します。
  • 1回当たりの服用(使用)
  • 1日当たり服用(使用)回数
  • 服用 (使用)時点・・・(例)(毎食後、毎食前、就寝前、疼痛時、○○時間毎等)
  • 投与日数(回数)
  • 服用(使用)に際しての留意事項
 
 
記載要領を見ると、内服薬は「1日分量」「1回あたりの服用量」ともに記載するように、と規定されていますが、現状では、医療機関ごとに記載方法は統一されてはいません。分量と用法及び用量の記載から、判別しています。
(「1日分量」+「何回分服」があると、1回あたりの服用量がわかります)
そこで、処方箋の記載方法が統一されていないことに起因した記載ミス、情報伝達エラーを防止する観点から、記載方法の統一が検討されており、「内服薬処方せんの記載方法の在り方に関する検討会報告書」(平成22年1月、厚生労働省)が出されています。
この報告書に従った記載方法も普及しておらず、いろんな記載方法がある現状ですが、報告書の内容を説明します。
 
例えば、従来多かった記載方法はこのようなものでした。
「リン酸コデイン10% 60mg  3×/5TD」
このような記載の場合、
  • 「60mg」を3回に分けて服用するのか、(1日量60mg)
  • 「1回60mg」を1日3回服用するのか、(1日量180mg)
解釈を誤ったため、薬剤量を間違えた事故も発生しています。
また、60mg が、製剤量なのか成分量(成分60mg であれば、製剤量0.6gとなる)なのか、処方表記の解釈の違いによる薬剤量間違いも報告されており、注意が必要です。
 
(補足)薬剤師は、標準用量などをもとに、1日量か1回量かを判別します。しかし、実際に、1日量・1回量を誤読したことに起因するヒヤリ・ハット等が発生しています。そこで、ミスを減らすためにも、わかりやすい記載は望ましいです。
 
誤読を減らすためには、
  • 「1日」「1回」と併記すること
  • (製剤量)(成分量)と併記することも有用です。
 
薬用量についての詳細はこちら → 【誤りの例】薬用量
 
 
まとめ
現状では、処方箋に、1日量を記載している医療機関と、1回量を記載する医療機関が混在しています。そのため、誤読を防止するためには、「1日」や「1回」を併記していただくことは有用です。