骨粗鬆症
薬物治療
骨吸収抑制薬
| 薬剤分類 | 代表薬 | 作用機序 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| ビスホスホネート製剤 (第一選択) | アレンドロン酸(ボナロン®) リセドロン酸(アクトネル®) ミノドロン酸(リカルボン®) | 破骨細胞のアポトーシス誘導 → 骨吸収抑制 | 空腹時服用(起床時・水で・30分以上横にならない)。顎骨壊死。食道障害 |
| 抗RANKL抗体 | デノスマブ(プラリア®) | RANKLを阻害 → 破骨細胞の分化・活性化↓ → 骨吸収抑制 | 6ヶ月に1回皮下注射。顎骨壊死。低カルシウム血症。中止後のリバウンド骨折に注意 |
| ラロキシフェン(エビスタ®) バゼドキシフェン(ビビアント®) | 骨ではエストロゲン様作用(骨吸収抑制)、乳房では抗エストロゲン作用 | 血栓症リスク。閉経後女性に限る。椎体骨折予防に有効 |
骨形成促進薬
| 薬剤分類 | 代表薬 | 作用機序 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 副甲状腺ホルモン(PTH)製剤 | テリパラチド(フォルテオ®) アバロパラチド(テリボン®) | 間歇的投与で骨芽細胞を活性化 → 骨形成促進 | 投与期間制限(テリパラチド:24ヶ月)。高Ca血症。重症例に使用 |
| 抗スクレロスチン抗体 | ロモソズマブ(イベニティ®) | スクレロスチン阻害 → 骨形成↑ + 骨吸収↓(両方の作用) | 12ヶ月間の投与後、ビスホスホネート等への切替が必要。心血管イベントのリスク |
その他
| 薬剤分類 | 代表薬 | 作用機序 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 活性型VitD3製剤 | エルデカルシトール(エディロール®) アルファカルシドール(アルファロール®) | 腸管からのCa吸収促進・骨代謝調節 | 高Ca血症に注意。定期的な血清Ca測定 |
| Ca製剤 | L-アスパラギン酸Ca(アスパラCA®) | Ca補充 | 他剤との併用が基本。単独での骨折予防効果は不十分 |
| エストロゲン製剤(HRT) | エストラジオール等 | エストロゲン補充 → 骨吸収抑制 | 他剤が使用できない場合に検討。血栓症・乳癌リスク |
看護師向け:観察・指導ポイント
🦴 骨折予防(最重要)
- 転倒予防:住環境の整備(段差解消・手すり・滑り止め・照明)、空のスリッパの使用禁止
- 筋力維持:下肢筋力・バランス能力の維持・向上
- 骨折既往がある患者は再骨折リスクが高いことを説明
💊 薬剤別の観察ポイント
- ビスホスホネート:服用法の彻底指導。食道症状(胸やけ・嘴下痛)の観察。歯科受診状況の確認(顎骨壊死予防)
- デノスマブ:低カルシウム血症(筋力低下・テタニー・不整脈)の観察。Ca・VitDの補充確認。歯科受診の確認
- PTH製剤:投与期間制限の確認。自己注射の指導(テリパラチド)
- ロモソズマブ:12ヶ月後の切替が必要なことを事前に説明
- 活性型VitD₃:高Ca血症の観察(悪心・倦怠感・口渇)
🦷 顎骨壊死の予防(ビスホスホネート・デノスマブ)
- 治療開始前に歯科受診を確認
- 口腔ケアの指導(歯磨き・定期検診)
- 拜歯などの侵襲的歯科処置は治療開始前に済ませる
💊 服薬アドヒアランス
- 「症状がないから」と自己中断しないよう指導
- 骨折が起こると寝たきり・ADL低下につながることを伝える
- 定期的な骨密度測定で治療効果を実感してもらう
🌿 生活指導
- 運動:荷重運動(ウォーキング等)・バランス訓練・筋力トレーニング
- 食事:Ca(乳製品・小魚・大豆)・VitD(魚・きのこ)・VitK(納豆・緑黄色野菜)の摂取
- 日光浴:VitD合成のため適度な日光曝露(1日15〜30分程度)
- 禁煙:喫煙は骨密度低下を促進
- 適度な飲酒:過度の飲酒は骨折リスク↑