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骨粗鬆症

骨粗鬆症

骨強度(骨密度 + 骨質)の低下により、骨折リスクが増大する全身性の骨疾患。
閉経後女性・高齢者に多く、大腿骨近位部骨折・椎体骨折・橈骨遠位端骨折などが代表的。寝たきりやADL低下の主要な原因。
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基本情報

  • 有病率:日本の推定患者数約1,300万人(女性が紈80%)
  • 分類
    • 原発性:閉経後骨粗鬆症(エストロゲン低下)・老人性骨粗鬆症(加齢)
    • 続発性:ステロイド性・生活習慣病関連・内分泌疾患・薬剤性など
  • 主なリスク因子:加齢・女性・閉経・低体重・骨折既往・家族歴・喫煙・過度の飲酒・ステロイド長期使用
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主な症状・骨折好発部位

初期
  • 無症状のことが多い(「沈黙の病気」)
  • 骨折が起こるまで気づかないことが多い

主な骨折部位(脆弱性骨折)
骨折部位特徴影響
椎体圧迫骨折背中・腰の痛み。身長低下・円背。無症状のことも慢性疼痛・ADL低下・逆流性食道炎
大腿骨近位部骨折転倒で発生。歩行不能寝たきりの主要原因。生命予後にも影響
橈骨遠位端骨折手をついて転倒した際に発生早期の骨粗鬆症のサイン
上腕骨近位端骨折転倒で発生。高齢者に多い日常生活動作の制限
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診断のポイント

  • 骨密度測定(DXA法):腰椎・大腿骨近位部の骨密度を測定。YAM(若年成人平均値)の70%以下で骨粗鬆症と診断
  • X線:椎体圧迫骨折の確認
  • 血液検査:骨代謝マーカー(骨形成:P1NP、骨吸収:TRACP-5b・NTXなど)、Ca・VitD・副甲状腺ホルモン
  • FRAX®:10年以内の骨折リスクを評価するツール
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薬物治療

骨吸収抑制薬

薬剤分類代表薬作用機序注意点
ビスホスホネート製剤 (第一選択)アレンドロン酸(ボナロン®) リセドロン酸(アクトネル®) ミノドロン酸(リカルボン®)破骨細胞のアポトーシス誘導 → 骨吸収抑制空腹時服用(起床時・水で・30分以上横にならない)。顎骨壊死。食道障害
抗RANKL抗体 デノスマブ(プラリア®)RANKLを阻害 → 破骨細胞の分化・活性化↓ → 骨吸収抑制6ヶ月に1回皮下注射。顎骨壊死。低カルシウム血症。中止後のリバウンド骨折に注意
ラロキシフェン(エビスタ®) バゼドキシフェン(ビビアント®)骨ではエストロゲン様作用(骨吸収抑制)、乳房では抗エストロゲン作用血栓症リスク。閉経後女性に限る。椎体骨折予防に有効

骨形成促進薬

薬剤分類代表薬作用機序注意点
副甲状腺ホルモン(PTH)製剤 テリパラチド(フォルテオ®) アバロパラチド(テリボン®)間歇的投与で骨芽細胞を活性化 → 骨形成促進投与期間制限(テリパラチド:24ヶ月)。高Ca血症。重症例に使用
抗スクレロスチン抗体 ロモソズマブ(イベニティ®)スクレロスチン阻害 → 骨形成↑ + 骨吸収↓(両方の作用12ヶ月間の投与後、ビスホスホネート等への切替が必要。心血管イベントのリスク

その他

薬剤分類代表薬作用機序注意点
活性型VitD3製剤 エルデカルシトール(エディロール®) アルファカルシドール(アルファロール®)腸管からのCa吸収促進・骨代謝調節高Ca血症に注意。定期的な血清Ca測定
Ca製剤 L-アスパラギン酸Ca(アスパラCA®)Ca補充他剤との併用が基本。単独での骨折予防効果は不十分
エストロゲン製剤(HRT)エストラジオール等エストロゲン補充 → 骨吸収抑制他剤が使用できない場合に検討。血栓症・乳癌リスク

ビスホスホネートの服用法(看護指導の重要ポイント)

正しい服用法を守らないと効果が大幅に低下する
  • 起床時に水(コップ約1杯、約180mL)で服用
  • 服用後30分以上横にならない(食道潰瘍予防)
  • 服用後30分は飲食禁止(食品・他の薬・サプリも不可)
  • 水以外の飲料(お茶・コーヒー・ミネラルウォーター)では服用しない
  • 週1回製剤・月1回製剤もあり、患者のライフスタイルに応じて選択
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看護師向け:観察・指導ポイント

🦴 骨折予防(最重要)
  • 転倒予防:住環境の整備(段差解消・手すり・滑り止め・照明)、空のスリッパの使用禁止
  • 筋力維持:下肢筋力・バランス能力の維持・向上
  • 骨折既往がある患者は再骨折リスクが高いことを説明

💊 薬剤別の観察ポイント
  • ビスホスホネート:服用法の彻底指導。食道症状(胸やけ・嘴下痛)の観察。歯科受診状況の確認(顎骨壊死予防)
  • デノスマブ:低カルシウム血症(筋力低下・テタニー・不整脈)の観察。Ca・VitDの補充確認。歯科受診の確認
  • PTH製剤:投与期間制限の確認。自己注射の指導(テリパラチド)
  • ロモソズマブ:12ヶ月後の切替が必要なことを事前に説明
  • 活性型VitD₃:高Ca血症の観察(悪心・倦怠感・口渇)

🦷 顎骨壊死の予防(ビスホスホネート・デノスマブ)
  • 治療開始前に歯科受診を確認
  • 口腔ケアの指導(歯磨き・定期検診)
  • 拜歯などの侵襲的歯科処置は治療開始前に済ませる

💊 服薬アドヒアランス
  • 「症状がないから」と自己中断しないよう指導
  • 骨折が起こると寝たきり・ADL低下につながることを伝える
  • 定期的な骨密度測定で治療効果を実感してもらう

🌿 生活指導
  • 運動:荷重運動(ウォーキング等)・バランス訓練・筋力トレーニング
  • 食事:Ca(乳製品・小魚・大豆)・VitD(魚・きのこ)・VitK(納豆・緑黄色野菜)の摂取
  • 日光浴:VitD合成のため適度な日光曝露(1日15〜30分程度)
  • 禁煙:喫煙は骨密度低下を促進
  • 適度な飲酒:過度の飲酒は骨折リスク↑